天然保湿因子について
潤いあるしっとりスベスベなお肌を手に入れるためにはお肌に潤いが必要となります。
その潤いというものは水分のことですが、その水分を保持しているのは何でしょうか?
例えばですが、砂に水をかけても水は奥にしみ込んでしまって表面はすぐに乾いてしまいます。
ですが、吸水性を持つ土であれば、水をかけてもしっかりと吸水するので表面が湿った状態が続きます。
お肌にもこの土の吸水性のような役割が存在しています。
お肌の構造は表皮・真皮・皮下組織の3つからなり、表皮はさらに4つの層からなっています。
それが角層、顆粒層、有棘層、基底層です。お肌のもっとも表面にあるのが角層です。
その角層には細胞間脂質と角層細胞が存在しています。
角質細胞を構成しているのが天然保湿因子です。
天然保湿因子はNMFとも呼ばれますが、NMFはNatural Moisturizing Factor(ナチュラルモイスチュアライジングファクター)の頭文字をとっています。
この天然保湿因子で構成される角層細胞と細胞間脂質によってお肌の水分が保たれています。
つまり、先程の例でいうところの土の吸水性のような機能を果たしています。
スキンケアによってケアできる範囲は基本的に角質層までとなっていますので、この天然保湿因子と細胞間脂質のサポートがスキンケアの役割とも言えます。
角層細胞を構成しているのが天然保湿因子です。
天然保湿因子としては、アミノ酸、ミネラル、尿素、PCA-Na、ヒアルロン酸などがあります。
角層の上には皮脂膜があり、角層で保持している水分の蒸発を防ぐ働きをしています。
つまり、角層というのはお肌の状態を左右するとても大切な部分ということになります。
角層にある細胞間脂質や角層細胞にある天然保湿因子が減少してしまったり、生成されなくなったりするとお肌は十分な水分を保つことができません。
それによってお肌は乾燥へと傾きます。
一度乾燥してしまったお肌の状態を元通りに戻すのはとても大変です。
なぜ大変かといいますと、乾燥したお肌というのは放っておくとどんどん状態悪化の方へ進んでいくからです。
そのため、お肌が乾燥してしまう前に日常のスキンケアによって天然保湿因子や細胞間脂質をしっかりとサポートすることが重要なのです。
天然保湿因子や細胞間脂質のサポートに必要なこと
刺激の強いスキンケアなどによって皮脂膜が失われると当然水分は失われやすくなります。
また、食事による栄養バランスの乱れや睡眠不足、ストレスなどの身体にとって良くないことをしていると体の一部であるお肌の状態も悪化してきます。
それによって天然保湿因子や細胞間脂質の減少などが起こります。
基本的に天然保湿因子などが減少する原因はこのような体の内側の問題と、皮脂の取りすぎ、洗い過ぎによってお肌から失われてしまうという2つのパターンです。
天然保湿因子や細胞間脂質の減少を食い止め、元通りにするには低刺激で適度な洗浄を心掛けること、そして食生活など生活習慣の改善が大切です。
その間、天然保湿因子や細胞間脂質の減少によって低下したバリア機能をサポートするため、水分と油分のバランスの良い保湿スキンケアが必要です。